詩人、歌手、画家、競輪解説者、エッセイスト、俳優、酒豪。
無頼詩人のロマンを奇蹟的に体現する表現者、友川カズキ。
「人と人は別れられないんだよ。出逢うだけなんだ。」
「こんな時代が大嫌いだ。私は永遠に唾をはく。自分にかかってもいいんだよ。」
叫ぶ友川を、新進気鋭のフランス人映像監督ヴィンセント・ムーンがとらえた、魂に響くひとりの男の美しい人生ドキュメント。デンマークのコペンハーゲンドキュメンタリー国際映画祭(CPH:DOX)にて Sound and Vision Award 2009 を受賞。2010年日本公開予定。



「こんなに美しいドキュメンタリー映画を最後に観たのはいつだっただろうか?
観終わった後、何か独特でこの上ない体験をした後のような沈黙がやってきて、少しの間言葉がなかった。
ただ感動でつけ加えるものは何もない。これは音楽映画を超越した人の魂を扱った作品だ。」

—–  ケネス・グエン(CPH:DOX 審査員)





絶叫する哲学者、友川カズキ



2008 年夏、ひとりの日本人のファンから長いメールを受け取った。そこには私の仕事に対する賛辞の言葉と、友川という稀にみる日本のフォークミュージシャンを撮影してはどうかという内容のものだったと覚えている。
4ヶ月以上が経過し、偶然にもそのメールを読み返す機会があった。私は彼のメールを最後まで読み終えていないことに気付いた。そのメールの最後には、彼の崇拝するその友川という人物の映画製作のために、私を日本に招聘したいと書かれてあったのだ。

こうして私は、2009 年2 月、人生で最も貴重な経験となる今回の映画撮影のために日本に降りたった。
そのアーティストの名前は友川カズキ。私が今まで出逢った中で、最も美しい魂をもった59 歳の表現者である。この映画をご覧になって初めに皆さんの頭をよぎるのは、ギターを持って叫んでいる、まさに仁侠映画に出てくるような男。しかし、映画が中盤にさしかかる頃、彼の存在意義の深さと人生における信仰のようなものが見えてくるだろう。大島渚や三池崇のような映画監督をも魅了する友川は、競輪を愛し、常に大量の酒をあび、画家としての驚くほどの才能をかけ合わせ、実の息子との間に切ない過去を持つ。これは友川カズキ以外の誰でもない。ランボーはランボーでしかないように。

『花々の過失』の編集も大詰めに入った2009 年夏、私の横で友達のひとりが映像の翻訳を手伝ってくれていた。あるシーンにさしかかったとき、突然彼女の目に涙があふれてぽろぽろとこぼれ落ちた。何が起こったのかと尋ねると、私の方を見て彼女はこう答えた。「彼の言葉が、、、彼は詩人のよう。」

友川カズキ。ある人はいう、絶叫する哲学者だと。


2009 年10 月 ヴィンセント・ムーン








ヴィンセント・ムーン監督 友川カズキ ドキュメンタリー映画『花々の過失』



邦題:花々の過失
原題:La Faute des Fleurs ̶ a portrait of Kazuki Tomokawa, Musicians of Our Times Episode 2

監督、撮影:ヴィンセント・ムーン

主演:友川カズキ

出演:及位鋭門、大関直樹(マネージャー)、生悦住英夫(「PSFレコード」プロデューサー)、
加藤正人(脚本家)、福島泰樹(歌人)、石塚俊明(ミュージシャン)、永畑雅人(ミュージシャン)ほか

構成:テレサ・イガーズ、ヴィンセント・ムーン
音声:ギャスパー・クラウス、テレサ・イガーズ
編集:ヴィンセント・ムーン、ルーカス・アーシャンボルト
詳細:日本語(英語字幕) / 2009年 / カラー / 70分
製作:Temporary Areas、Modest Launch
URL:www.lafautedesfleurs.com

上映歴: コペンハーゲンドキュメンタリー国際映画祭(CPH:DOX)/ 2009 年11 月
チリドキュメンタリー音楽国際映画祭 IN-EDIT NESCAFÉ / 2009 年12 月
受賞歴: Sound and Vision Award 2009(CPH:DOX)




スチール写真全て映画『花々の過失』より。撮影:vincent moon







『花々の過失』とは、1993年にPSF RECORDから発売された友川カズキの通算10枚目のアルバムのタイトルである。7年という長い沈黙を破って世に問うた友川復活アルバムがこの『花々の過失』で、全て弾き語りのみの一発録音。 このアルバムこそ友川の「歌」の本質をはじめてとらえられたものと称されており、永山則夫の手記『無知の涙』の詩に曲をつけた『私の花』も収録された話題の一作。



友川カズキvincent moontenmporary areas modest launch